コーヒースタンドとは?カフェとの違いやスタート時の話をお届けします

ストーリー

日本でも最近増えてきているコーヒースタンド。カフェとは違って、立ち飲みやテイクアウトであることが多く、一杯一杯のおいしさにこだわっていることが多いです。

今回は、お寺で無料のコーヒースタンドをやっているバリスタMutsumiが、コーヒースタンドの特徴やカフェとの違いについて解説します。

実際に足立区で「ゼンガクジ フリー コーヒースタンド」を始めた話についてもご紹介しちゃいますので、コーヒースタンドの開業に興味のある人は最後までお見逃しなく!

コーヒースタンドとは?カフェとの違いは?

バリスタMutsumiの夫で、ゼンガクジ フリーコーヒースタンドの言い出しっぺでもある大島

コーヒースタンドとカフェは、来店する人に与えられる価値が異なります。コーヒースタンドは「人との交流」、カフェは「自分の時間」を大切にする傾向が高いです。

カフェコーヒースタンド
提供する価値自分の時間、空間人との交流、コミュニケーション
店舗の大きさ広い狭い(立ち飲み、テイクアウトのみの場合が多い)
コーヒーの質低品質〜高品質高品質(スペシャルティコーヒーが多い)

コーヒースタンドでは、スペシャルティコーヒーの豆が使用されていることが多いのもポイント。おいしいコーヒー豆にこだわることで、味わいの特徴や普通のコーヒーとの違いについて、お客さんと話をするきっかけにもなります。

Mutsumi
Mutsumi

コーヒースタンドは、コミュニケーションに重きを置いていることが多いよ!会話を楽しみたい人同士だからこそ楽しい時間が生まれるよね、コーヒースタンドって。

コーヒースタンドの特徴

バリスタMutsumiも大好きなコーヒースタンド。大きな特徴は以下の3つが挙げられます。

・スペシャルティコーヒーを使用している
・チェーンよりも個人店が多い
・人との交流が生まれる

スペシャルティコーヒーを使用している

スペシャルティコーヒーとは、風味を感じられる良質なコーヒー豆を使用して淹れたコーヒーのこと。スペシャルティコーヒーの豆は基本的に単一のシングルオリジンであるため、ブレンドよりもコーヒー豆の個性を楽しむことができます。

豆の栽培・収穫から焙煎・抽出に至るまでのあらゆる過程で品質管理がしっかりしていることも、スペシャルティコーヒーの特徴です。

コーヒースタンドは、おいしいコーヒーを世の中に広めたい、という思いを持ったオーナーが多いため、こだわったスペシャルティコーヒーの豆を取り扱っているスタンドが多い傾向にあります。

参考記事
スペシャルティコーヒーの定義についてコーヒーコミュニティの夫妻が語ってみた

チェーンよりも個人店が多い

コーヒースタンドは、すでにあるコーヒーチェーン店が参入するよりも、個人で開業しているケースが多いです。

コーヒースタンドは必ずしも広いスペースを設ける必要がなく、その分人をたくさん雇う必要もないため、初期投資を少なく抑えられます。

スタンドの雰囲気やスペシャルティコーヒーにこだわりを持っているオーナーが個人でやっていることが多いです。

人との交流が生まれる

「ゼンガクジ フリーコーヒースタンド」のバリスタMutsumiがコーヒースタンドを好きな理由でもあります。

空間の快適さや自分の時間を大切にしているカフェとは異なり、コーヒースタンドはそこで出会う人とのコミュニケーションを楽しむ傾向が強くあります。

実際に、おいしいコーヒーをコミュニケーションツールとし、まちの交流を活性化させるためにコーヒースタンドをはじめる人もいるようです。

参考記事
コーヒースタンドから生まれる「まち」の人たちとの交流|認定特定非営利活動法人こまちぷらす

コーヒースタンドが誕生したのはサードウェーブ期

コーヒースタンドという概念が誕生したのは、サードウェーブ期(2010年代以降)です。

サードウェーブの特徴は、コーヒー豆の質にこだわり、ハンドドリップで丁寧に淹れること。

コーヒー業界の流れ特徴
ファーストウェーブ (1800年代~1970年頃)世界的にコーヒーの大量生産・大量消費が続いた時期。日本では喫茶店が流行する
セカンドウェーブ(1970年代~1990年頃)エスプレッソやラテも飲まれるようになる時期。スターバックスをはじめ、コーヒーチェーン店が増える
サードウェーブ
(2000年代〜2020年頃)
一杯の質にこだわりを持った、スペシャルティコーヒーを提供するお店やコーヒースタンドが増える

サードウェーブは、高品質なコーヒーの味を求める消費者が増え始めた時期。カフェで空間を提供するというよりも、コーヒースタンドでいいコーヒーを届けよう、という思いを持った人が増えている傾向にあります。

ゼンガクジ フリー コーヒースタンドのスタート時の話

では実際に、コーヒースタンドをいざ始めようとなったとき、何から始めたらよいのでしょうか。

そこで、コーヒーについて勉強中のライターが、「ゼンガクジフリーコーヒースタンド」を始めた大島にスタート時の話についてチラッと聞いてみました!

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大島:経営や組織運営を考える上で大切なポイントは「ヒト・モノ・カネ」なので、この3つのポイントに分けて話していくね。

ライター:はい、お願いします!

大島:まず「ヒト」だけど、バリスタは求人サイトで募ってはいないんだよね。全然縁のない人を呼ぶというよりは、自分たちのご近所さんの繋がりでバリスタをやってくれる人を見つけていった。

あと、コーヒースタンドに立ってもらうバリスタとして大切なのは、コミュニケーションがとれること。以前の話だけど、うちのバリスタの中には会話を積極的にとることができない子もいて。地域と繋がりたくて来てくれたお客さんが一部ほっとかれてしまう、みたいな状況が起きちゃったんだよね…

ライター:なるほど…ではバリスタ経験があるかは関係ないんですか?

大島:そうだね。バリスタ経験があるというよりは、コーヒースタンドでの交流を大切にしたいマインドを持っている人の方が適任かな。

ライター:コーヒースタンドは人との交流の場ですもんね。では「モノ」の視点ではいかがですか?

大島:モノは教えてもらって買ったものが多いかな。コーヒー豆は、原宿のキャットストリートにある「THE ROASTERY BY NOZY COFFEE」っていうコーヒー屋さんのスペシャルティコーヒーを初めて飲んだとき、コーヒーが苦手な俺でも感動するくらいおいしかったから、そこから卸しているよ。そのお店を運営している会社の社長さんに、コーヒースタンドをやろうと思ってることを話したら熱意が伝わって。必要な道具とか、道具を選ぶときのポイントについて教えてもらったんだよね。

例えば、コーヒーを淹れるときのケトルは使う頻度が高くて汚れやすいから白よりも黒の方がいいよ、とか。電動のコーヒーミルも、住宅街の中で騒音にならないように業務用と家庭用の中間ぐらいのものを使ってる。

ライター:スタイリッシュで素敵だなぁといつも思ってました!最後に、気になる「カネ」の資金面についてもお伺いしてもいいですか…!?

大島:もともと事業を目的で運営はしてないし、お金は出ていく一方かな(笑)でも、ランニングコストは意外とコーヒー豆代くらいしかかかってないんだよね。初期費用はかかっているけどね。

でも、僕らはあり合わせで始めたから、ミニマムスタートだったと思う。続けていく上では、あるものでやるっていうことが大切かな。

ライター:ついつい最初は道具を揃えたくなってしまいそうですけど、本質の目的はそこじゃないですもんね。

チラどころかたくさん教えていただいてとても勉強になりました。ありがとうございました!